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租税条約とは

租税条約

租税条約とは、国と国との間に生ずる国際的二重課税の会費と、国際的な脱税や租税回避を防止するとともに、二国間における課税権の配分ルールや調整方法を合意した、国際間の条約をいいます。

我が国では、2022年11月現在で84条約等が締結され、150か国・地域に適用されています。なお、条約等の「等」とは、台湾との間で締結した日台民間租税取決めをいいます。

OECDモデル租税条約

租税条約の国際標準として「OECDモデル租税条約」があり、OECD加盟国を中心に、租税条約を策定する際のモデルとなっています。OECD加盟国である我が国も、概ねこれに沿った規定を採用しています。

【OECDモデル租税条約の主な内容】

1.課税関係の安定(法的安定性の確保)・二重課税の排除

  • 源泉地国(所得が生ずる国)で課税できる所得の範囲の確定
    - 事業利得に対しては、源泉地国に所在する恒久的施設(支店等)の活動により得た利得のみに課税
    - 投資所得(配当、利子、使用料)に対しては、源泉地国での税率の上限(免税を含む)を設定
  • 居住地国における二重課税の排除方法
    - 国外所得免除方式又は外国税額控除方式
  • 税務当局間の相互協議(仲裁を含む)による条約に適合しない課税の解消

2.脱税及び租税回避等への対応

  • 税務当局間の納税者情報(銀行機密情報を含む)の交換
  • 租税に関する徴収共助


租税条約の構成

租税条約のメインは条約本文ですが、本文のほかに、議定書(Protocol)や交換公文(Exchange of Notes)等の付属文書が作成されることが通常です。

議定書(Protocol)は、締結国のうちいずれか一方の国のみに関係する事項について取決めを置いたり、既に締結している条約の内容を修正・補完したりする場合に用いられます。そのため、議定書は実質的に条約と一体不可分のものとして扱われ、条約本文と同様、国会の承認を経て発効されます。

交換公文は(Exchange of Notes)は、条約の補完、条約解釈に関する了解、技術的事項の解釈や実施細目を定める場合などに作成される文書であり、国会の承認を必要としない書簡の形で取り交わされるものです。

いずれも、租税条約の解釈に不可欠なものですので、実務においては、条約本文だけでなく議定書や交換公文も併せて確認することが必要です。